蛍光灯2027年問題とは?賃貸オーナーが今すぐ共用部をLED化すべき3つの理由
こんにちは、ベルスタート株式会社の酒田です。
管理会社から「共用部のLED一括交換のお見積りです」というメールが届いたまま、受信箱の下のほうに沈んでいる。心当たりのあるオーナー様は、決して少なくないと思います。
無理もありません。切れた球は管理会社が都度替えてくれていますし、今すぐ困っているわけでもない。数十万円の見積書を前にすれば、「来年でいいか」と思うのが自然です。
ただ、この件については「来年でいいか」が通用しにくくなってきました。蛍光灯そのものが世の中から姿を消していく期限が、すでに決まっているからです。
蛍光灯の製造終了スケジュールは、もう確定している
いわゆる「蛍光灯の2027年問題」です。水銀の使用を減らすための国際条約(水銀に関する水俣条約)にもとづき、一般照明用の蛍光ランプは製造と輸出入が段階的に廃止されることが決まっています。環境省が公表しているスケジュールは次のとおりです。
- コンパクト形蛍光ランプ:2026年12月31日
- 直管・環形蛍光ランプ(ハロリン酸塩系):2026年末
- 直管・環形蛍光ランプ(三波長系):2027年12月31日
ここで見落とされがちなのが、期限が2027年の一本ではないという点です。マンションやアパートの共用廊下・エントランス・階段のダウンライトでよく使われているコンパクト形蛍光ランプは、今年の年末が期限にあたります。「2027年問題」という呼び名のせいで、まだ1年以上あると思い込んでしまうと、判断を一段遅らせることになります。
なお、誤解のないように補足すると、今お使いの照明器具が使えなくなるわけではありません。廃止日までに製造された在庫の売買も、継続使用も禁止されるものではありません。禁止されるのは、あくまで新たに製造すること・輸入することです。
先送りすると、オーナーの手元で何が起きるか
では実務上、何が困るのか。大きく三つあります。
1. 球の値段が上がる
需要が集中する一方で供給が細っていきますから、価格が上がりやすい局面に入っています。都度交換のたびに単価が上がり、気づけばLED化しておいたほうが安かった、という逆転が起こり得ます。
2. いずれ在庫が底をつく
在庫が尽きた後、同じ規格の蛍光灯は手に入りません。そうなると「切れたけれど、すぐには直せない」という期間が発生します。共用廊下や階段が暗いままの物件は、内見時の印象が明確に悪くなります。募集中の空室があるタイミングでこれが起きるのは、避けたいところです。防犯上の不安からクレームにつながることもあります。
3. 工事が取り合いになる
期限が近づくほど、同じことを考えたオーナーや管理組合からの依頼が電気工事店に集中します。繁忙期には見積りも施工も待たされます。急いで頼めば足元を見られることもあるでしょう。落ち着いて相見積りが取れるのは、みんなが動き出す前の今のうちです。
「全部やる」か「様子見」かの二択にしない
とはいえ、いきなり全館一括で、とまでは申しません。現実的な進め方は、次のとおりです。
まず、照明の棚卸しをする
共用廊下、階段、エントランス、駐輪場、ゴミ置き場。それぞれ何が何本あって、どの種類の蛍光灯か。これがわからないと、見積りの妥当性も判断できません。管理会社に依頼すれば、巡回のついでに拾ってもらえます。
器具ごと交換か、ランプだけか
直管LEDには、既存の安定器をそのまま使うタイプと、工事をして安定器を切り離すタイプがあります。安価に見える工事でも、古い安定器を残したままだと不具合や火災のリスクを抱えることになります。見積書の「工事費」が何をしているのかは、必ず説明を受けてください。
他の修繕予定と並べて考える
大規模修繕や外壁塗装で足場を組む予定があるなら、時期を合わせられないかを検討します。逆に、数年内に売却を考えている物件であれば、優先順位は変わります。
判断の軸は「何年で元が取れるか」だけではありません。電気代の削減効果はもちろんありますが、それ以上に、暗い共用部で入居募集をしないという守りの意味が大きい設備投資だと考えています。
「うちの物件は何本あるのか」「この見積りは妥当なのか」「そもそも、あと何年持たせる物件なのか」。照明ひとつの話に見えて、実は保有を続けるか売却するかという、もう一段大きな判断につながっていることも少なくありません。
参考:環境省「一般照明用の蛍光ランプの製造・輸出入は2027年までに廃止されます」(2024年2月)
https://www.env.go.jp/content/000200659.pdf
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