2023年度税制を大幅改正|贈与税、相続税の改正ポイントを解説

query_builder 2023/01/17
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相続税



~~各種税制制度が大幅に改正が決まったのが2022年12月。不動産に関連するのは相続税、贈与税などが対象になりました。


2023年4月から適用開始となる相続税や贈与税に関連する税制の見直しを詳しく解説していきます。~~



2022年12月16日に公表された「2023年度税制改正の大綱」。



税制改正と耳にすると、難しそうという先入観が先走り、発表された税制改正の中身を見ることを後回しにしてしまいがちですよね。



もしくは、「自分とはあまり関係ないのでは」という意識からでも同様の行為を取ったりするかもしれません。



今回の税制改正には、タイトルにあるように、贈与税や相続税に対しても大幅に見直されており、今すぐにではなくとも様々な方に影響のある改正となっています。



そこで、本記事では贈与税と相続税の改正ポイントを含め、現行との比較なども一緒に解説していきます。


現行の贈与税・相続税の内容をおさらい



まずは現行の贈与税と相続税をおさらいしていきましょう。



両親から子供、孫へ財産を受け継いでいくには贈与と相続の2種類の方法で継承していく方法があります。



財産を贈与された側は贈与税がかかり、相続によって財産を受け継いだ受贈者は相続税の支払い義務が生じます。



2023年度の税制改正には贈与税と相続税の改正が関わるため、現行を解説していきます。



贈与を受けると当然ですが贈与税の支払い義務が発生します。贈与税に関しての課税方法は次の2種類から選択することができます。



  1. 暦年課税

  2. 相続時精算課税



現行の暦年課税と相続時精算課税|贈与税



受贈者は暦年課税を相続時精算課税を選び納税しますが、2つの違いをまずは解説していきましょう。



暦年課税:毎年110万円までの贈与であれば非課税となる



相続時精算課税:相続を開始するまでの非課税枠が2500万円



暦年課税は贈与者と受贈者の年齢や続柄によって、一般税率か特例税率によって計算され、相続時精算課税では上記非課税枠を超えた部分に関して、一律20%の税率が適用されます。



暦年課税は、複数回に分けて贈与することができるため、相続開始時点の相続財産を減らすことができます。



これにより、相続税の節税対策として有効とされてきました。



また、相続税精算課税は、相続時に相続財産として加算されるため節税対策として向いていませんが、一度に多くの額を生前贈与できるというメリットを備えています。


生前贈与


生前贈与も上記非課税枠が適用されますが、相続開始の3年以内の贈与は相続財産として加算されます。


現行の相続税



遺産を相続すると相続税の支払い義務が生じます。相続税の税率は超過累進税率が適用されているため、一定額が超えた部分に応じて高くなるしくみになります。



 

法定相続分に応ずる取得金額

 税率

控除額

1000万円以下

10%

1000万円超〜3000万円以下

15%

50万円

3000万円超〜5000万円以下

20%

200万円

5000万円超〜1億円以下

30%

700万円

1億円超〜2億円以下

40%

1700万円

2億円超〜3億円以下

45%

2700万円

3億円超〜6億円以下

50%

4200万円

6億円超〜

 

 



計算方法は取得金額に税率を乗じ、そこから一定の控除額を引くと相続税額が計算されるしくみになります。



現行の贈与税と相続税の課題点



大きな問題として打ち出されているのは、一部の富裕層が結果的に優遇される制度になっているため、適切な資産の継承が阻害されているという点になります。



現行の制度では相続税より贈与税が高い設定のため、例えば死後相続することによって相続税がかからない可能性のある方が、生前贈与をしてしまうと、贈与税の支払いが発生してしまう可能性があるのです。



また、相続税のかかる方においても、生前贈与するよりも相続まで待機した方が節税対策になるため、生前贈与をためらう傾向にあります。

また現行の贈与は次の非課税制度が設けられています。




●    基礎控除(暦年課税):110万円/年


●    住宅資金:最大1500万円/1人あたり


●    教育資金:最大1500万円/1人あたり


●    結婚・子育て資金:最大1000万円/1人あたり


●    配偶者控除:最大2000万円





上記金額は非課税枠になりますが、特例控除として期限付きではあったものの、その期限が延長されてきました。


これにより、上記の金額内で分割して贈与する一部の富裕層が現れ、無税や低い税率により資産を移転していることが懸念されていました。



2023年度|贈与税・相続税の改正点をまるっと早わかり



上記のような課題点が懸念されつつ、今回税制の大幅な改正が見直されました。

具体的な改正点を1つずつ解説していきましょう。


ポイント1:生前贈与|相続開始3年前→7年前へ


これまでの生前贈与は相続開始の3年前までの間に贈与を受けた場合、相続税に加算されてきましたが、改正にあたり、3年前から7年前までに延長されます。



しかし、相続開始前3年以内の財産以外(4年前以降)は、100万円の控除が適用され、それ以外の残額が相続税の対象になります。



期間を拡大するにあたり、早期の段階で財産を正しく継承することが期待されています。


ポイント2:相続時精算課税の見直し



現行の相続時精算課税では、2500万円未満の贈与の場合でも適用を受けるには、都度確定申告をしなければなりませんでしたが、改正後では110万円までの贈与であれば申告は不要になります。



この改正は、2024年1月1日以降、贈与によって受けた財産で、相続時精算課税を選択した場合でも年間110万円以内であれば、相続税、贈与税いずれもかかりません。



2023年度|相続空き家3000万円特別控除


相続した空き家を相続開始から3年後の12月31日までに売却すると、売却益(譲渡所得)から3000万円の控除が適用されます。



この制度が「相続空き家3000万円特別控除」になります。



相続空き家3000万円特別控除適用には次の条件が満たされていなければいけません。


 ・被相続人が居住していた家屋である

 ・老人ホームに入所しており相続開始前に当該家屋に居住していなかった場合も当ては

  まる


  1. ①1981年5月31日以前の建物であること

  2. ②相続によって土地や家屋を取得した

  3. ③売却前に耐震リフォームで補強しているか更地にしていること


改正後のポイント



耐震リフォーム工事や更地にするタイミングは売却前のみで、かつ売主負担だった条件が緩和され、耐震リフォーム工事や更地工事は売却後買主が行う場合も対象になり、買主は購入後、翌年2月15日までにいずれかの工事を実施しなければ摘要になりません。


また適用期間も2027年12月31日までと延長されました。



2023年度|住宅取得等資金は延長なし


2章で解説したように、親や直系尊属によって教育資金や、結婚出産資金、住宅取得資金を一括で贈与を受けた場合、非課税枠が設けられています。



いずれも上限などの改正はありませんでしたが、教育資金一括贈与、結婚子育て資金一括贈与はそれぞれ延長が決定しました。



●  教育資金一括贈与:3年延長(2026年3月31日まで)



●  結婚子育て資金一括贈与:2年延長(2025年3月31日まで)

  しかし、住宅取得資金一括贈与に関しては延長されず、現行の期間で制度終了とな   

    ります。



●  住宅取得資金一括贈与:2023年12月31日まで



2023年度|中古マンション|固定資産税減額特例措置



マンションはある程度の年数が経過すると、定期的な改修工事を入れマンションの維持を保ち続けなければいけません。



しかし、所謂築年数の経過している高経年マンションでは、各居住者から修繕積立金を徴収しているにも関わらず、工事にかかる各種工事費の高騰によって積立金が不足し、結果的に大規模修繕工事を入れることができないという事態に直面しています。



適切な改修工事を入れないことによって、外壁の剥がれや入居者が転居する可能性も示唆され、さらに積立金の徴収が厳しい結果を招き、改修工事だけでは維持できなくなり建て替えなど、より多くのコストがかかってしまう恐れも懸念されています。


このような背景から、次の条件に当てはまるマンションでは固定資産税減額措置が新たに創設されました。



一定条件を満たしているマンションで大規模改修工事を実施した場合、翌年の建物にかかる固定資産税が減額され、減額の割合は1/6〜1/2の範囲で市町村条例で定められます。



適用は、2023年4月1日からになります。

一定条件のマンションは次の条件になります。



  1. ①築20年以上経過し、総戸数10戸以上のマンション

  2. ②長寿命化工事を過去1回以上実施

  3. ③長寿命化工事に必要な積立金を確保している


まとめ


今回の税制改正では不動産に関連のある贈与税、相続税、また空き家、マンション長寿命化、固定資産税減額など新たに創設された特例措置もありましたが、贈与税や相続税の改正の影響は大きいものと考えています。



税制改正によって生じる相続や贈与に関してのご相談はベルスタート株式会社へお気軽にご相談ください。



各種専門の士業の先生と連携し、お客様に最善のご提案をさせて頂きます。

 


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