区画整理予定の土地は売却できるのか?売却時期と注意点を解説

query_builder 2022/09/10
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土地区画整理

土地区画整理という事業を一度は耳にしたことはないでしょうか。


国や地方自治体によって、元々未整備だった区域に、公園や道路を整備するために、各宅地所有者が少しずつ土地を提供し、新たな土地の区画を造り割り当てることを土地区画整理事業といいます。


分かりやすく例えると、道幅の狭い複雑な形の土地が連なっている区域を綺麗に整え、拡幅や公園などを設置し、住みやすい区域とすることです。


区画整理地内に指定されている土地を所有している場合、通常の売却とは異なり、売却のタイミングを計る必要があること、また、売却の手順が煩雑になるため、スムーズな土地売却を進めるためにも不動産会社の協力は必然になります。


そこで、今回の記事では、あなたの土地が土地区画整理地内の土地である場合の売却のタイミングや注意点、さらに土地の価値は変化するのかを解説していきます。


土地区画整理事業の土地の変化と流れ


従前地

従前地は、形状も整えられていない未整備状態の区画整理前の土地を表します。


仮換地

区画整理事業は、一気に綺古くからの街並みは1つ1つの土地が歪な形となっており、道幅も狭く通りづらさがあったりと、万が一災害や火災が起きると、消防車や救出活動が遅れるなどの危険と隣り合わせでした。


そこで国や自治体などが主体になり、五月雨式に土地区画整理事業が行われるようになりました。 では、あなたが所有している土地が土地区画整理事業内に入っている場合の説明に入りましょう。


土地区画整理事業内に入ると、事業の段階によって土地の呼び名が変わります。 まずは1つ1つ解説していきましょう。麗な宅地状態に変化を遂げるわけではなく、長期的に従前地を整備していきます。


仮に、ABCの3つの土地があるとします。Aは従前地の区画整理は終了しましたが、BとCはこれから工事に入ります。

この状態で、Aは仮換地、BCの土地はまだ工事前になるため従前地になります。


このように、先に工事が完了しても区画整理事業自体はまだ終了を遂げていない状態の土地を仮換地と表します。


換地

全ての区域の区画整理事業が完了すると、区画整理地内の仮換地に指定されている土地が換地として定められます。


保留地


従前地を整備することで、余った土地が発生します。この土地を保留地といい、区画整理事業会社によって公園や道路を建設する事業の資金に充てられます。


また、保留地の所有者はいません。



土地区画整理地内の売却のタイミング


一度土地区画整理事業が開始されると、全ての工事が完了するまで10年はかかります。長い工事ともなると、15年程度経過することもあり、区画整理地内の土地の売買は、売るタイミングによって手順が異なります。


タイミングによって、土地の広さが変わったり清算金が発生することもあるため、通常の土地売買のようにスムーズにいきません。


では、売却のタイミングをそれぞれ説明していきましょう。


仮換地指定後の売却


土地区画整理事業が開始されると仮換地の指定を受けます。仮換地の指定を受けた状態での土地売買はできますが、ポイントは「所有権」と「売買価格の設定」と「清算金」の3つに注意しなければいけません。


まず、所有権は仮換地にはなく、従前地にあり、仮換地には使用収益権という権利が与えられます。


仮換地の売買をすると、買主の所有権は従前地、仮換地には土地を使用できるという権利が与えられます。


そのため、売買契約書に記載される土地の情報は、従前地になるのです。


もう1つのポイントは、価格の設定と清算金です。


通常は区画整理後、周辺整備も整えられ、土地の地目も変化を遂げるため、評価が上がることが多いのですが、仮換地には相場価格がないこと、従前地よりも土地面積が減歩する可能性もあるため、清算金も含めた価格設定を慎重に決めなければいけません。


売買を依頼する不動産会社のほかに、土地区画整理組合にも窓口があるため、事例を元に相談に応じてくれるでしょう。



換地後の売却


区画整理事業が全て完了し、換地処分を受けた後の売却は最もスムーズに取引ができる状態です。


仮換地中の売買とは違い、所有権も使用収益権も換地にあるため、権利関係などの説明も不必要であり、最もスムーズに売買取引ができるタイミングになります。



清算金の帰属先を売買契約で決めておくこと


一番スムーズな契約時期は換地処分後の売買ですが、事情などがあり、どうしても仮換地を売買しなければいけないケースもあるでしょう。


一般的に区画整理前の従前地よりも区画整理事業後の換地の方が、土地の評価が上がるため、相場価格が上昇します。

この差額を解決する方法が清算金になります。


分かりやすく解説すると、


  • 区画整理事業後土地の価格が下がった場合→清算金を受け取る

  • 区画整理事業後に土地の価格が上がった場合→清算金を支払う


この清算金の帰属先を売買契約時に売主か買主かを決めておかなければトラブルに発展する可能性もありますが、リスクも考慮すると売主に帰属するのが一般的な考え方になります。


しかし、特約などで買主に帰属する場合もゼロではないため、今後の問題などを考えた上で取り決めをしなければいけません。



まとめ

区画整理事業は綺麗な街になることや、住みやすさの観点からも、その土地を求める人は一定数います。


さらに、土地の評価自体が底上げされるため、売却価格も引き上がることも予測でき、売主としてもメリットの多い取引になるでしょう。


しかし、通常の土地売買とは違い、複雑な取引になるため、区画整理事業工事が開始された後、どのタイミングで売却するのか、買主との取り決めなども必要になるため、ポイントを押さえて売買契約を進めることが必要になります。



ベルスタート株式会社でも仮換地、換地の土地取引の相談を承っています。


難しい土地の取引になるため、価格の設定や清算金の帰属などを含め、お気軽にお問い合わせください。













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